Books: ザ・ビートルズの世界地図 / 日経BPムック

 インド音楽に影響を受けたビートルズの楽曲プレイリスト(Spotify)を作りました。

大人のロック! 編  ザ・ビートルズの世界地図 (日経BPムック)

大人のロック! 編 ザ・ビートルズの世界地図 (日経BPムック)

 

 ビートルズ関係の書物は、ついつい買ってしまいます。本書では、ビートルズの曲が世界のどこで作られたか、彼らが世界のどこで演奏したかの記録を中心にまとめられています。

個人的には、ビートルズとインドの関係に関心がありまして、インドで作られた楽曲を改めて聴き直しています。

1968年2月にビートルズはインドのリシケシュで瞑想修行し、新しい道を歩み始めました。そもそも、インド色が出始めるのは3年前のアルバム『Rubber Soul』(1965年発表)あたりからで、収録曲「Norwedgian Wood」では、ビートルズをインドに導いたジョージ・ハリスンシタールの演奏にチャレンジし、アルバム『リボルバー』(1966年発表)でも、ジョージがインド音楽に正面から取り組んだ「I Love You」や、ジョン・レノンのアジアンチックな「Tomorrow Never Knows」収録され始め、アルバム『Sgt. Pepper's』(1967年発表)では、ジョージが「あるヨギの自叙伝」にインスパイアされた「Within You Without You」が収録されたりと、インドへの思いが高まっているのがわかります。

2枚組アルバム『The Beatles(通称ホワイトアルバム)』(1968年発表)で全30曲中、15曲がインドのリシケシュで着想・作曲されたことがわかります。アルバムとしては、まとまりにかける反面、ジョン、ポール、ジョージとそれぞれの個性が遺憾無く発揮された名曲揃いのアルバムです。ジャケットが真っ白な理由は、いろんな説があるようですが、個人的に思うのが、インドではヨガ実践者やヴェーダ学徒・教師は、真っ白な衣服を身にまとっていることにも影響されたのではと思います。潔白、純粋、新たなスタート、内省的、知性的といった印象も受けます。

次作『Let It Be』(1970年発表)、ラストアルバム『Abby Road』(1969年発表)においてもインドの香りをまとった楽曲は収録されておりスパイスのようにアルバムを引き立てています。ジョージ、ジョンともにそれぞれのソロでも、作詞・作曲でその残り香が感じられます。