Books: 小学館の図鑑NEO 〔新版〕昆虫

 

 日本で見られる昆虫を中心に、約1,400種が紹介されています。ムカデやヤスデ、ワラジムシ、クモ、サソリなど、昆虫に近い仲間も掲載されています。

私は、小学生のころ、とても昆虫が好きで、家に昆虫飼育室を作って欲しいと祖父に頼みましたが、もちろん却下されました。夏休みに従兄弟の家に泊まり朝早く起きてセミを捕まえるのが楽しかったです。確か、ヒグラシ、ツクツクボウシ、チッチゼミ(?)を捕まえるのが最終目標でした。捕まえた個体は逃がしていました。「田舎の子どもは昆虫標本を作らない」というのを大学院になってから聞き、確かにそうだと思いました。標本作りをしたことがなかったです。実は、クワガタやカブトムシも、あまり飼育したことがなかったです。大人になってからは徐々に落ち着いてきたのか、ハグロトンボやアキアカネが優雅に飛んでいる様子に哀愁を感じます。また、アリやハチを含む膜翅目昆虫は、社会性を発達させた種が多く、コロニー内での役割分担の仕組みを知ると、人間よりも組織化された無駄な争いのない社会なんだと気が付かさせられます。哲学者ベルクソンは、「閉じた社会」と表現していましたが。

昆虫は環境の指標になります。例えば、5〜7月にゲンジボタルが飛び交う場所は、その幼虫や餌のカワニナが生育するのに適した、汚染されていない水環境ということがわかります。

チョウの種類から、どんな植物が近くにあるかなども推測できます。チョウ類(鱗翅目昆虫)では、幼虫が植物に特化している(寄主特異性)、すなわち、このチョウの幼虫は、この植物の葉しか食べないという関係が強い種がいます。例えば、ナミアゲハの成虫がひらひら飛んでいるのを見ると、どの近くにミカンの木があるのかな?と思わせます。アサギマダラのように長距離移動する種では、必ずしも近くに食草があるとは限らないのですが。

モンシロチョウ、ツクツクボウシイチモンジセセリあたりは、成虫が大量に発生する時期に季節特異性があるので、風物詩みたいになっています。

それにしても、「昆虫オタク」と「イケメン」って、どうも接点がないような気がします。最近では、ジャニーズのタレントでも料理上手な人って人気あるみたいですけど、デートに昆虫採集行こうよと誘って一緒に来てくれる女の子って多いでしょうかね。でも、里山や古民家、また森林浴などが流行っているので、散策がてら、少し虫に詳しいところを見せると、そのギャップが魅力になったりして...(?)