Study: What if Highways Were Electric? Germany Is Testing the Idea. Intl. Weekly. August 29, 2021

タイトルは、「高層道路に架線があったらどうなるだろうか。ドイツで実証試験開始」。

・気候変動と大気汚染の有効な対策としてトラックの排気ガスの排出量を削減することは重要な課題である。

・大型トラックメーカーの産業界では方向性が二極化している。ダイムラーボルボは、水素燃料電池搭載のトラック開発に注力する一方で、フォルクスワーゲンの子会社トレイトン、傘下のスカニア、MAN、ナヴィスターは、発展型バッテリー搭載のトラック開発と高速道路への架線設置に注力している。

・トレイトンは、フランクフルト南部の試験道路、通称「電気高速道路(eハイウェイ)」構築のための装置を提供するジーメンスを含む企業グループおよびドイツ国内を管轄する政府機関アウトバーンGmbHの資金援助会社のひとつである。

・トラックはキャビン上部にパンタグラフを備え、架線から給電しながら、走行する。フランクフルトに準備された、上方に電気ケーブル(架線)の設置された試験のためのeハイウェイの全長は短く、上り下りともに5 km程度である。この目的は、実際の荷物を積載したトラックを日常的に搬送させることで、そのシステムがどのように稼働するかどうかを実証試験することである。年末までには20台のトラックの試験走行を予定している。

・eハイウェイが大規模に展開される場合は、Schanz Speditionのような企業で採用され、実用化される必要がある。4,000 kmの架線を設置することで、ドイツ国内のトラック走行道路の60%を網羅できる計算値が示されている。

・ただし、1 kmあたり250万ユーロ(約3億2千6百万円)の費用が必要となる。ドイツ政府の環境省は、水素燃料電池搭載トラックとバッテリー搭載トラックの実用性を調査し、比較検討している。多くの研究論文では、eハイウェイと電動トラックの組み合わせの方が、その架線設置にかかるインフラ整備費用を考慮しても、最も費用対効果の高い選択肢であるという結論に至っている。

 

キーワード

Traton トレイトン
トレイトン SE(Traton SE)(旧:TRATON GROUP, 旧:Volkswagen Truck&Bus AG)は、フォルクスワーゲン・グループの子会社であり、傘下にMAN Truck & Bus、スカニア、ブラジルでの「トラック&バス」ブランドであるフォルクスワーゲン・カミニョイス・イ・オニブス(Volkswagen Caminhões e Ônibus)を保有する世界有数の商用車メーカー。(Wikipedia

 

Overhead cable trucks ハイブリッド・トラック
トラックはキャビン上部にパンタグラフを備え、架線から給電しながら、時速56マイル(時速約90キロメートル)で走行できる。給電区間ではトラックは電力のみで走行可能。ハイウェイの通常区間では、ハイブリッド・エンジンに切り替える。(Business Insider