Music: Hot Rats / Frank Zappa (1969)

 

HOT RATS [12 inch Analog]

HOT RATS [12 inch Analog]

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フランク・ザッパは、アメリカのカリフォルニアを拠点に活動していたミュージシャンです。本作「Hot Rats」は、1969年に発売され、彼の名を世に知らしめた重要作です。しかし、厳密に言うと、発売当時、本国アメリカではチャートインしませんでしたが、イギリスではイエスキング・クリムゾンなどの登場でプログレッシヴ・ロックがブームになっていたことが追い風となり、絶賛され、アルバム・チャート9位まで上昇しました。そのため、いまでもイギリスの音楽番組では、フランク・ザッパキング・クリムゾンの実験的な音楽を「Freaks」という表現の仕方で並べて紹介されています。当時はフラワーミュージックとしてロックはヒッピーたちの拠り所でもありました。フランク・ザッパによれば、ヒッピーとフリークスの違いは、自分たちが何者かを気にしなかったのがヒッピーで、自分たちが何者かを気にしたのがフリークスです。ヒッピーは社会から望んでドロップアウトし、フリークスは社会に対決を挑み、主流を乗っ取ろうとしました。フリークス音楽とは、社会の立役者たちの人物像と重なり、技術的に高度で新しいアイディアが豊富でした。

本作ですが、CDとLPでは、5曲目「The Gumbo Variations」の楽器の音質と定位が大幅に変えられており、CDはLPよりも4分長い新ヴァージョンに作り変えられています。ザッパは、巧みな編曲技術を持つミュージシャンであったことでも有名で、こういった編曲違いをマニアックな楽しみ方があります。確かに、King Crimsonの1stアルバム「In the Court of the Crimson King」(1969年発売)と同じようなテンションの高さがあり、同じカテゴリーに入れられるのも納得です。ただ、アメリカ西海岸とイギリス・ロンドンの違いなのか、フランク・ザッパには開放的というか雑多な印象も受けます。

初めてフランク・ザッパを聴いたのは、このアルバムでした。当時サブスクもない時代だったので、膨大な作品の中から数枚のアルバムしか聴けなかったですが、いまサブスクで作品を聴いていくと、やはりこのアルバムが一番好きかもと思えます。

 
 
 
 
 
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