Study: Our Galaxy Is Found To Be a Bubbly Place. New York Times. Intl. Weekly. February 13, 2022.

タイトルは、「天の川は、泡に満ちている」。

・我々の地球を含む銀河系、すなわち天の川は、シャンパンのごとく泡で満ちていることが判明した。太陽系を囲むように広がる直径1000光年の巨大な泡構造は、1400万年前に相次いだ超新星爆発をきっかけに膨らんだことが示唆されたのである。

・太陽系周辺の宇宙空間には比較的希薄で高温のガスが分布しており、その外側には低温で密度の高い領域が壁のように広がっている。このような太陽系周辺の構造は「ローカルバブル(局所泡)」と呼ばる。

・前世代の超新星の断続的な爆発で起きた衝撃は、ガス星雲を分散させ、泡の界面付近でそれらを圧縮した。このことにより、ローカルバブルの界面付近では局所的に超新星が生まれるきっかけが作られ、次々と星が生まれた。現在でも、7つの有名な星形成領域が存在する。

・米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)のCatherine Zucker博士たちの研究チームは、ガス星雲と宇宙塵の正確な3Dマッピングのために、10億個以上の星の位置とその距離を分析した。分析にはヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星「ガイア」の観測データなどを利用している。

ウィーン大学のJoao Alves博士らの研究グループは、ラドクリフ波を発見を発表した。そして、ローカルバブルが太陽系を中心に広がっていることについて説明した。これは偶然であり、ローカルバブルを作り出した最初の超新星が爆発したとき、私たちの太陽は現場から遠く離れていたが、太陽は約500万年前に泡へ入りこむ経路をたどり、今では全くの偶然で、泡のほぼ中心に位置している。

・Alyssa Goodman博士らの研究チームは、超新星モデル、星の動き、ローカルバブルを囲む物質の新しい分布図など、様々な手がかりを利用し、ローカルバブルの成り立ちを解析した。1,400万年前に15個の超新星のうちいくつかは滅亡したが、それ以外は成長を続けた。結果的には、それらよりも後には超新星は誕生していない。ローカルバブルは、毎秒6kmの速度で膨らんだと考える。

・Goodman博士らの研究チームは、天の川のローカルバブルの3Dマッピングを実施する予定である。偶然とはいえ、私たちが1つの泡の中にいるということは、泡そのものは珍しいものではないはずだ。研究チームは、天の川銀河のいたるところにローカルバブルのような低密度領域があり、スイスチーズのようになっているのではないかと考えている。

キーワード
Radcliffe Wave ラドクリフ
天の川銀河系で最も近くにあるまとまったガス状構造であり、相互に関連した星の揺籠(stellar nurseries)が点在している。天の川の腕の軌跡に沿うように、太陽から最も近いところで約400光年(おうし座分子雲)、最も遠いところで約5000光年(はくちょう座X星団)にあり、常にローカルアーム(オリオンアーム)自体の中に、その長さの約40%、平均幅20%にまたがっている。この発見は、2020年の1月に発表されて天文学者を驚かせた。(Wikipedia

 

A Bubbly Origin for Stars Around the Sun


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