生きて死ぬ私 / 茂木健一郎

生きて死ぬ私 (ちくま文庫)
就活の後,急に研究モードに入ったせいかまだペースが掴みにくく感じます.今は実験系を組み立てる非常に大事な段階なので,慎重に取り組んでいきたいです.
最近文庫本として再版された茂木健一郎さんの「生きて死ぬ私」を手にしました.研究の合間にちょこちょこ読んでいて,今は詳しく紹介することはできませんが,茂木さんの思想面が描かれたエッセイです.物理学,脳科学,文学,宗教,クオリアまで,茂木さん自身(脳)が世界を深く「感じ」てられることがとっても素敵で感銘を受けました.哲学者や科学者の視点で物事を見ると,いかに自分が日常に埋没しているかを感じさせられます.

この世界は,死んでいった可能性で満ち溢れている.


私たちの意識は,一度に一つのものしか選択できないし,一度に一つのものしか認識できない.だが,私たちの無意識は,ひょっとしたら生まれることなく死んでいく夥しい可能性たちに,どこかでかすかにつながっているかもしれない.だから,人は,ときには癒されるために無意識へと降りていかなければならない.
(本書141-2pより抜粋)