Entries from 2013-01-01 to 1 month

菊と刀 / ベネディクト(2008年)

★ベネディクトの「菊と刀」。知らない人はいないでしょう。ベネディクトは、日本を訪れたことはなかったのですが、日本に関する文献の熟読と日系移民との交流を通じて、ここまで詳細にかつ本質的なところを見抜いているということに驚愕します。 日本人から…

インド現代史―独立50年を検証する / 賀来弓月(1998年)

★著者は、「宗教の問題」を分析するときには、その神学的側面(宗教教義)と政治社会学的な側面を区別することが大切である。いかなる宗教の信者も指導者も、一部は、政治的な野心をもっていて、それを満たすために、宗教を利用しようとするからである、と述…

最新版 図説 よくわかる世界の紛争/毎日新聞社(2009年)

★2009年出版なので、最新の情報まではカバーされていませんが、基本的なところを理解するにはとても役に立ちます。尖閣諸島、竹島問題、北方領土といった日本のニュースや新聞で話題になっているところから、世界中の時事問題について解説されています。各ペ…

不可触民と現代インド / 山際素男(2003年)

★インドにカースト制度があるというのは世界史などを勉強した際にも習います。そのカーストの外側にあって、インド社会の中で最も差別されている、不可触民(ふかしょくみん)または不可触賤民(ふかしょくせんみん)と呼ばれる人々がいます。ダリット、アチ…

緑の政治ガイドブック―公正で持続可能な社会をつくる / デレク・ウォール(2012)

★緑の政治は1970年代に誕生し、いまやアメリカ、ドイツ、イギリスといった北の国だけでなくキューバ、インドや中東といった第三世界にも広がりを見せています。「緑の党」の基本理念には、「草の根民主主義」「非暴力」「社会的公正」が掲げられています。一…

社会学入門をどう捉えるか / 稲葉振一郎(2009)

★Fact is stranger than fiction.(事実は小説より奇なり)とはよく言ったもので、現実社会で起こっている事件や出来事の原因や要因を追求したり、根底にある理論や思想を理解しようと試みるものの、なかなか物事は一筋縄ではありません。差別、ナショナリズ…

クロイツェル・ソナタ / トルストイ

クロイツェル・ソナタ(2008年)

★トルストイの「クロイツェル・ソナタ」をモチーフにしたアメリカの映画。この映画は、現代の社会問題である家庭内暴力(DV)へのひとつの示唆としてもみれると思いました。すでにそういった問題を小説として描き出していたトルストイはさすがだと思いました…

実践の倫理 / ピーター・シンガー(2004)

★第8章の「富めるものと貧しいもの」では、とても考えさせられます。ピーター・シンガーの理論は明晰でパワフルなのですが、「何か」こぼれ落ちてしまいそうな気がします。特に東洋の文化圏では。その辺のところをもっと探っていきたいと思います。

動物の解放 / ピーター・シンガー(2011)

★動物の倫理を考える上で避けては通れない本です。ダーウィンの進化論、快/不快の原則、功利主義を土台にしています。マクロな視点で動物倫理を考える場合には、とても有効な考え方だと個人的には思っています。ただ、個人というのは、ひとりひとりとてもユ…

現実的な左翼に進化する / ピーター・シンガー(2003)

★10年前に買っていたものを改めて読んでいます。以前より興味を持って読めました。ダーウィンの進化論が西洋の文脈においてどれほどインパクトがあったのかが伺い知れます。ただ、右派にも、左派にも曲解されていたということもわかります。

奇跡の海 / ラース・フォン・トリアー

★「自己犠牲の愛」が描かれているということを知ったので、映画・小説ともに鑑賞しました。ラース・フォン・トリアー監督の1996年に制作されたデンマーク映画です。手持ちカメラ撮影などの手法による独特の写し方が印象的です。カンヌ国際映画祭でグランプリ…