プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 / マックス・ヴェーバー

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)


目次
第1章 問題
一 信仰と社会層分化
二 資本主義の「精神」
三 ルッター天職概念−研究課題
第2章 禁欲的プロテスタンティズムの天職倫理
一 世俗内的禁欲の宗教的基盤
二 禁欲と資本主義精神


数ヶ月前から昼休みなんかに少しずつ読み進めていました。そしたら、アメリカを中心とする金融破綻が起きて、ますますこの本に現実味を感じました。原油穀物の価格上昇も相まって、「世界」とはこうも脆いものだったんだと、その見え方が変わってきたように思えます。
自分は、個人投資家が増え始めたときに株式などに多少の興味は覚えたものの、やはり投資経済は性に合わないなと、何もしないうちにそう決め込んでいるところもありますが、金融経済主義か、実物経済的な「暮らし」かと言われれば、後者に興味があります。世界を股にかける「コスモポリタン」的な考え方とは正反対の、地元志向の「地産地消」的な生活がいいじゃないかと思っています。もしかすれば、交換価値ではなく、使用価値に重きを置く人が増えるかもしれません。
本書を読んでいると、マックス・ヴェーバーも当時のアメリカをみてそう感じたんじゃないかなぁと思えてきます。ただ本書も欧米の文脈の中で語られているというのも事実で、個々人の内面にある宗教倫理観を中心として分析しているために、そのまま中東やアジアに適合できるかと言えば、難しいのではと思えます。