元素111の新知識 / 桜井弘編(2009年)

元素111の新知識―引いて重宝、読んでおもしろい 第2版 (ブルーバックス)


★111個の元素について、「発見にまつわるエピソード」、「くらしの中での利用」、「生体における元素の役割」が紹介されています。
例えば、福島の原発事故以降、放射性同位元素のCs(質量数137)による汚染が大問題となっている、原子番号55のセシウム(Cs)のページを開いてみます。放射性同位元素のCs(137)は、崩壊時にガンマ線を出すため、誤って体内に取り込まれるとガンのリスクを高めるため有害とされています。1986年のチェルノブイリ原発事故以降、周辺地域ではCs(137)がキノコに高濃度に濃縮されていることが報告されていますが、その理由は明らかになっていません。
本書には、他にもコラムが25個あって、それぞれ興味深いです。ヒトの体内に存在する微量元素を紹介したコラムもあります。重金属のカドミウム、水銀、ヒ素、クロム、コバルトなんかも超微量ではありますが、体内に存在しています。ヒトにおいて必須が認められている微量元素もいくつかあります。最近では、サプリメントとして補給することも多いのではないでしょうか。例えば、カリウムマグネシウム亜鉛など。過剰摂取しても欠乏しても弊害があるので、やはり何事も適量が大切でしょうか。
自分も10代の頃、元素の周期表が好きで、原子番号元素記号の対応関係を利用して、自分だけがわかる暗号のようなものを作って遊んでいたことを思い出しました。