不安

今日の午前はハイデガーについて考える時間にした.ハイデガーに関する本を色々と読んでいた.先日フッサール(僕はフッセルと読んでいるが)の現象学の基本的な考え方がわかってから,一気にハイデガーが身近に感じられるようになった.ハイデガーの主著「存在と時間」は深遠な書物だと言われる.確かにどこを切ってもハイデガーらしい難解な用語がわさわさと出現してくるし,うまく訳せないことの方が多い.しかも,ハイデガーはフッセルを超越しているとされる.
Das Sichängsten erschließt ursprünglich und direkt die Welt als Welt. (SZ187)(不安を覚えることが,根源的かつ端的に世界を世界として開示する.)
というくだりからも垣間見ることができるが,ハイデガーは,フッセルのように宙にただよう可能的事例ではなく,自分自身に現実に与えられているものから出発しなければならないと考える.