アルベール・カミュは,寡黙な人だったのだろうか.僕はカミュの作品はほとんど読んだが,彼の作品からは,独特の哀愁を感じた.言葉によって語り過ぎない文体だけに,その行間では登場人物の心の中が雄弁に語られている.カミュの作品には,意図された沈黙が横たわっている.
そのカミュの作品を「沈黙」というコンセプトで論評したのが,三野博司の「カミュ−沈黙の誘惑」だ.この本,書き出しから強くひきよせられる魅力がある.
- 作者: 三野博司
- 出版社/メーカー: 彩流社
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 単行本
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