幼年期の神聖な教育

ドストエフスキーの小説『カラマーゾフの兄弟』に印象的なくだりがある.

Some beautiful, sacred memory, preserved since childhood, is perhaps the best education of all. If a man carries many such memories into life with him, he is saved for the rest of his days. - Alyosha Karamazov 『The Brothers Karamazov』 "Epilogue" sct.3
幼年時代からずっと忘れずにいる,ある種美しく神聖な思い出以上の教育はないのかもしれない.そういう多くの思い出とともに残りの人生を歩む人の魂は救われる.
 - Fyodor Mikhaylovich Dostoyevsky (1821-81)

というものだ.僕は幼年期に母方の祖父母に西日本(近畿,中国,四国,九州)の各地へ旅行へ連れて行ったもらった思い出がたくさんある.いつも祖父のたてるスケジュールは,かなり綿密で無駄がなく,分単位での行動を強いられるので,ぼけっとしている暇がなかった.また,予め様々な文献を調査して,僕らにレクチャーしてくれた.
幼年期にこういった経験をさせてもらったことは,本当に感謝すべきではないだろうかと思っている.僕は電車(祖父は,汽車と呼んでいたが)で旅行することにノスタルジアを感じる.

旅する哲学 ―大人のための旅行術

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