クリフォード・ブラウン

クリフォード・ブラウンと聞くと,ヘレン・メリルとの名演奏が思い浮かぶが,このアルバムでの演奏からは,ヘレン・メリルとの共演のしっとりさとは打って変わって,かなりエモーショナルなプレイを肌で感じることができる.村上春樹は,クリフォード・ブラウンのことを「生き急いだ人」と表現している.そして,「溺愛することができない」と.
僕らはなぜか多くの場合,好むと好まざるとに関わらず,あらゆる道理を超えて,自堕落でだらしのない弱さを含んだ芸術に引きつけられてしまうようだ.
と春樹がつぶやくように書いている.春樹らしいシニカルな物事の見方ではあるが,そうなのかもしれないと僕も思った.

STUDY IN BROWN

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