郵政

知り合いに,歴史系の研究をしている方がおられて,先日その人から郵政,特に特定郵便局のことについて少し話を聞いた.ここでは,詳しくは書かないが,さすがよく知っておられるなと感じた.
僕も両親が郵便局長であるのだから,もっと詳しくならなければと思うが,まだまだ知らないことが多すぎる.
ただ,時代は変わるものだということは感じる.昔はメジャー(主流)だったものが,今では(マイナー)になってしまうこともあるし,”正義”とされていたものが,今では”改善すべき点”とされることなんて,日常でも多々ある.
これでは他力本願ではないかと思ってしまうが,逆に言えば,その変化にどう対応するか,すなわち将来のことを見据えて準備しておくこともできないとは言えない.
郵政民営化にともなって,
日本の田舎では,ますますハンディが広がる.いつでも誰でもの機会平等の社会から,お金持ちが優遇される社会へと変わる.
と危惧する学者もいる.
今現在郵便局に勤めている人の中には,”企業家肌(競争主義的で自由)”の人がどれくらいいるのだろうということが気になる.僕は個人的には,親や親類の方からは,「滅私奉公」,「平等」,「地域住民とのふれあい」といったものを感じているからだ.それは歴史を遡れば,特定郵便局の仕事についてきた人の多くは,かつての地主や村長さんの家系だったからだ.地主や村長を,単純に,”お金持ち”とすることはできる.しかし,上記のお金持ちとは異なっていると思われる.”長”と付く限りは,そのコミュニティーの代表であり,”村のために”と責任をもって働いてきた部分も大きいと思う.僕は親類の方を見てそう感じている.それを権力主義,階層主義だというなら,会社に社長や課長と呼ばれる人がいることは,どう説明されるのかと思う.
だから,「今までの郵政の理念」と「新しい政権の競争主義」は,相容れるのだろうかと疑問に思う.
コンビニの具体例でもわかるように,地域コミュニティーの崩壊にも繋がる可能性があるのだ.コンビニの店員が,どれくらい地域の住民の人と交流しているのだろうか.バイトだから仕方がないのだろうけど,マニュアル通り過ぎると感じさせられる.そしたら,郵便局もコンビニのように,学生のバイトが主流になったとしたら,これは地域住民との距離が広がることになりうる.
人付き合いなんて,煩わしいと思う現代人は多い.僕もそういった部分はある.しかし,天災が起きたときなど,決して「あかの他人」ではないことが伺える.