環境保全は,他者の文脈の理解から始まる

LOHASってなんだろう?私ができる環境保全とはなんだろう?と考えながら文章を書いてみました.
やっぱり僕の心の中には,他人のことを理解することなしに,環境保全活動をしてみたところで,単なる「環境保全イデオロギー」になっちゃうだけじゃないかと思ったり,時には余計なおせっかいと思われるかもしれないというひっかかりがあって,すごくモヤモヤして,そういう気持ちをどうしても整理したくて文章にしてみました.
環境に配慮するとか,他人に配慮するっていう少し他人行儀な表現よりも,他人を理解する優しさが大切っていう表現の方がしっくりくる今日この頃です.


僕がLOHASに興味を持ったのは最近ですが,自分の生活がLOHASと言えるかどうかまだ判然としません.ただ「食」にはとっても興味を持っています.


最近の食のトレンドとして,
1.「超」健康志向(安全で安心できる食材)
2.フュージョン化(食のボーダレス化,和洋中の融合)
3.スローフード(地域の食)
4.LOHAS
が挙げられます.


食産業は大きく,
内食(家庭内で作る料理)
中食(総菜など持ち帰りの総菜)
外食(レストランなど)
に分けられるのですが,
その中でも中食のシェアが急増しています.


またその食ビジネスの背景として,
1.高齢者社会の到来
2.女性の社会進出
3.単身世帯の増加
があります.


LOHASとは,Lifestyles Of Health And Sustainability (健康と持続可能性の(〜を重視する)ライフスタイル)の略です.健康や環境問題に関心の高い人々のライフスタイルとされます.


しかし,「LOHAS」はあくまでもマーケティングのためにアメリカで生まれたコンセプトですし,定義も非常に曖昧です.


僕も一人暮らし(今年で9年目)を始めるようになって,自分自身そんなに身体が強くない方なので,「食」には気をつけるようにしています.


僕は自分で料理作っています.
毎日朝ごはんから晩御飯までスーパーで食材を買ってきて自分で調理しています.

また,日用雑貨など100円ショップやコーナンなどでできるだけ安く買ったり,あるものを工夫して使いまわしたりしています.安く長く使うことは心がけています.
電化製品も大切に使って9年間一度も故障せずに使っている製品も少なくありません.


LOHASってたぶんお金はかからなくとも時間というコストはかかる生活なんだろうなぁと思います.ある意味贅沢な暮らしです.


自分は,結果として,経済的だったり地球の環境に優しいと思われることをしているのかもしれませんが,物事の発端は,「自分が楽しい」と思えるかどうかってところにあります.


しかしこれは一人暮らしだからというのと,学校と家が近いので,実行できるんだと思います.


環境保全のためにできることって人それぞれ違っていていいと思います.


”ある人はどうしても自分でご飯を作れる環境にない”とか,”ある人はどうしても自動車を使わなければならない状況にある”といったことはありえると思います.


本当の意味で,「私にできる範囲の環境保全」だといいのですが,自分ができているからといって他人ができるとは限らない.
その「できる」「できない」を理解しておかなければ,単なる「環境保全イデオロギー」になってしまう恐れがあるんじゃないかと思います.


日経エコロジー3月号で脳科学者の茂木健一郎さんが「環境保全を観念でとらえる前に圧倒的な自然の質感に触れるべき」といった内容の記事を寄せています.


環境を守りたい,大切にしたいという「感情」は,まず自分が自然を感じることから起こるのではないかと思いました.幼少期の体験も大きいと思いますし,単純な動機として,チョウが好きとか,この食材好きとか,この環境の景観が好きだとかでもいいと思います.


地球環境に一番影響を与えているのは人の活動であることもそうでしょうし,このまま現世代の人々が未来の地球のことを考えずに好き勝手に生活したら,地球の環境は取り返しのつかないことになるということを理解できる人は増えていると思います.


しかし,僕は”環境のために〜するべき”という「べき論」ってどうなんだろう?って常に悩んでいます.


社会全体の中で環境保全の動きが強くなる中で,法律や条令がさらに多く施行されるようになれば,環境に配慮していない自己中心的な規範から外れた行動や言動も生じえると思います.


僕も大阪でひとり暮らしをするようになって,クーラーや暖房なしでは1年は過ごせません.またコンビニの存在にも重宝しています.


そこで,例えば,コンビニ弁当は本当に悪いのだろうかと悩みます.


コンビニで売っている弁当や総菜,またスーパーやデパートの地下で売っている総菜を夕食に加えることで,共働きで疲れて仕事から帰ってきたお母さんだったらとっても助かるんじゃないかと思います.
さらに,母親の手があくことで,母親は子どもと会話する機会が増えるだろうし,そのことで子どもと親のコミュニケーションもとりやすくなる.
核家族化+共働き+少子化で,孤独な子どもって増えてるんじゃないかと思います.
だから,僕はコンビニなど一概に否定できないと感じます.コンビニだけとか,クルマだけとか,一部分だけを省みても,個人は無力感を感じるだけのことが多いような気がします.


その背景にある文化,歴史,経済,また人の気質・性格,立場・状況,倫理観などの「文脈」を理解した上で,環境問題を考えていかなければならないと思っています.


環境保全は,他者の文脈の理解から始まるように最近思います.