京都御所・相国寺

京都御所の「春季一般公開」が行われていると聞いたので行ってきました。御苑に入ったのも初めてでした。こんなに広いとは思わなかったです。紫宸殿の「左近の桜、右近の橘」も観ることができました。
それにしても、京都は桜の多様性が高いと感じます。戦後、日本中で復興のシンボルとしてソメイヨシノが植樹されましたが、本格的な空襲にあわなかった京都には、戦前からの桜の多様性が引き継がれています。
御苑内外の寺社も拝観しました。御苑東側の梨木神社があるあたりの林地帯は、なかなかいい環境だと思いました。


今回の散策ルートは、京都御所→白雲神社→厳島神社→宗像神社→護王神社→廬山寺→梨木神社→清浄華院相国寺相国寺大聖寺 でした。


京都御所






梨木神社
このあたりは樹木が生い茂っていて、とても清清しいです。梨木神社は「萩」と「名水」で地元の人からも親しまれています。



廬山寺
紫式部が住んだ邸宅の跡地とも言われ、かの「源氏物語」もここで執筆されたと考えられているようです。



相国寺
京都御苑の北、京都五山(京都の禅宗臨済宗)の寺格)の一つ、相国寺にも足を伸ばしました。運よく「春の特別公開」が行われていて、方丈「襖絵 裏方丈庭園」、法堂「重要文化財 本尊釈迦如来像 鳴き龍」、浴室「宣明と称し平成14年6月に復元修復されたもの」の3つを拝観することができました。中でも法堂の鳴き龍は、狩野光信の手によりお堂の天井に躍動感溢れる姿が描かれています。ミケランジェロの壁画を思い出しました。一人ひとり、お堂の真ん中で手を叩くと、音がこだまして、まるで龍が鳴いているかのように聴こえます。その後、承天閣美術館へ行き、伊藤若冲の絵画を鑑賞しました(ちなみに昨年は、石峰寺の十五百羅漢像を観ました)。そして念願の十牛図も観ることができました。仏教の思想である、「万物流転」の考えを、さまざまなところで垣間見ることができるお寺、またそれに関わる美術を観ることは、今の自分にとってとても刺激になります。
実はつい最近身近な人が病に倒れました。その人の心中を察するととても辛い気持ちになります。こんな場合でも、本人以外の人は、たとえ親であっても大事に至らないことだけをただ願うしかありません。僕も一昨日くらいから寺社を礼拝し、その度に、”どうかお守ください”と祈っています。その知らせを聞いたときは、自分の中での不安な気持ちをかき消そうと必死になっていましたが、今日、相国寺の龍と対面した時に、ふと”大丈夫だ”と、声が聞こえたような気がして、少し気が楽になりました。本当に大丈夫であってほしいです。心から願っています。
禅の教えに「心随萬境転々處実能幽」という言葉があります。自分の心の流れに逆らわずに、日々を生きてゆければと思います。


相国寺



相国寺 法堂天井の鳴き龍
http://www.rinnou.net/exhibition/img/ex_06/11_shokoku.jpg
http://www.rinnou.net/exhibition/ex_06.htmlより