★目次
はしがき 司馬遼太郎
第一章 日本文化の誕生
日本人の対外意識
外国文化の受け入れ方
「ますらおぶり」と「たおやめぶり」
第二章 空海と一休 − 宗教の普遍性について
国際的な真言密教
一休の魅力
切支丹(キリシタン)
第三章 金の世界・銀の世界 − 乱世の美学
足利義政と東山文化
革命としての応仁の乱
金の復活 − 織豊時代
日本的な美
第四章 日本人の戦争観
忠義と裏切り
捕虜
倭寇
第五章 日本人のモラル − 儒教をめぐって
日本人の合理主義
日本人と儒教
「恥」ということ
他力本願
西洋芸術・東洋道徳
第六章 日本にきた外国人
津和野
緒方洪庵塾
シーボルト
ボンベ先生
クラーク、ハーン(小泉八雲)
アーネスト・サトー
フェノロサ、チェンバレン、サンソム
第七章 続・日本人のモラル
風流ということ
英雄のいない国
再び日本の儒教について
庶民と宗教
原型的な神道
第八章 江戸の文化
上方は武士文化、江戸は町人文化
赤穂浪士
江戸文学を翻訳して
奇人、江漢と源内
本居宣長 − むすび
あとがき ドナルド・キーン
★司馬遼太郎とドナルド・キーンの対談。両氏が平城宮跡、銀閣寺、適塾を舞台に会い、料理屋で酒などを飲みながら話を交わす、という設定で行われた対談を収めたもの。
今までは西洋と東洋といった感じで、その文化や風習が違っていても、地理的な隔たりもあり、当然と言えば当然と思える場合もあったのですが、最近は、同じアジア人と言っても、日本人は、お隣の韓国や中国の人々とは明らかに違う側面を持っているように思えます。モラル、宗教、文学、外交、美意識、戦争など、”日本的”とは言うけれど、どう日本的なのか、客観的にはどう見えるのか、興味が絶えません。本書の対談を読んでいると、へぇ、なるほど、面白いなぁと、思わず声に出てしまいます。そして、自分は日本ことを知らなさ過ぎるのかとも思えてきます。そして、これから日本人各人は自分のアイデンティティをどこにどのように見出してゆくのだろうかと考えてしまいます。