新版・クラシックの名曲・名盤 / 宇野功芳 (1996年)

新版・クラシックの名曲・名盤 (講談社現代新書)


クラシック音楽を聴くこともまた、自分の心に根をおろしつつある趣味の一つです。本書の著者は、声楽科卒で、指揮活動も行っているということもあってか、各楽曲のコーラスパートに関する分析は鋭いように思えます。
例えば、バッハでは「マタイ受難曲」、ブラームスでは「交響曲第1番」、「ヴァイオリン協奏曲」、「ドイツ・レクイエム」、ワーグナーでは、楽劇「ニーベルングの指輪」、ヴェルディでは歌劇「椿姫」と「レクイエム」が挙げられています。特に、ベートーヴェンについての解説は核心にせまっているように読み取ることができ、読後改めて聴いてみようという気持ちになります。「第九」よりも「ミサ・ソレムニス」の方が良いといった評価がなされているのにも共感できました。