クイーンズライク詩集 / 広瀬和生・訳(1995年)

クイーンズライク詩集 (Burrn!books)


★10代の頃、クイーンズライクというアメリカのロックバンドが好きでした。なぜ好きになったかと言えば、「Promised Land」というアルバムのどの曲を聴いても、人間の内面の世界が深く探求されているように思えたからです。このアルバムは、コンセプトとして、”人間の幸福は物質的充足ではなく精神的安定である”というメッセージが含まれています。


バンドのブレインである、ジェフ・テイトとクリス・デガーモは、ビートルズジョン・レノンポール・マッカートニーのような関係で、お互いに小さい頃に父親不在によって精神的なダメージを受けたと感じていることを語っています。


クリス・デガーモは、精神医学の方面にも造詣が深く、夢を意識的にコントロールする方法を身についているそうです。そのクリスが夢について書いたのが「Silent Lucidity」という曲です。ただし、この曲は、「Empire」というアルバム収録です。


本書は、クイーンズライク初期から6枚目までのアルバム全曲の歌詞をBurrn!の編集長である広瀬和生さんが訳したものです。詩集というのに相応しく、歌詞だけを読んでいても、心の襞が震えます。

Silent Lucidity
(Chris DeGarmo)


If you open your mind for me
You won't rely on open eyes to see
The walls you built within, come tumbling down
And a new world will begin


Living twice at once you learn
You're safe from pain in the dream domain
A soul set free to fly
A round trip journey in your head
Master illusion, can you realize
Your dream's alive, you can be the guide
But・・・


僕に心を開いてくれれば
君は自分の目で見るということに頼らず済むんだ
心の内に築いた壁が崩れ落ちて
新しい世界が始まる


一度に2つの人生を経験出来るようになるのさ
夢の領域では君は苦痛から解放され
魂は自由に飛翔する
頭の中で世界一周旅行も思いのまま
幻想を自在に操るんだ 判るかい
君の夢は生きている 君は夢の世界の案内人になれるのさ
でも・・・