レ・ミゼラブル(2002年)

レ・ミゼラブル [DVD]


ユゴーレ・ミゼラブルは、ドストエフスキーの作品に通じるものがあるように思えます。正義とは、愛とは、人生いかにいきるべきかといった問いが根底に流れています。特に、レ・ミゼラブルでは、各人が自分の正義をまっとうしようとしています。それぞれの論理があるのです。ドストエフキーの登場人物も各人が人生を自問自答していますが、愛の形の多様性という点ではユゴーの作品の方が優れているように思います。各人の愛の形がそれぞれに異なっており、「無条件の愛」の体現者が、ジャン・ヴァルジャンその人であるように思えます。ゆえに、作者ユゴーはジャンにこれでもかというくらいに試練を与えます。そんな中でマリユスとコゼットのロマンスは一瞬の安らぎを与えてくれます。コゼット役はフランス出身のヴィルジニー・ルドワイヤン(Virginie Ledoyen)が演じており、その美しさは目を見張るものがあります。