チェ「28歳の革命」「39歳別れの手紙」

チェ ダブルパック (「28歳の革命」&「39歳別れの手紙」) [DVD]


★医者であり革命家でもあるチェ・ゲバラ。世界中に彼の熱狂的な支持者がいる理由がこの映画を観てわかりました。生涯を賭して求めたのは、まさに金銭的利益以外の価値、それは人間の精神の自由と社会の公正さでした。


彼はよき先生でもありました。たびたび持病の喘息の発作を起こしながらもキューバボリビアのジャングルを行軍しました。ジャングルに潜伏中でも、読み書きできる素晴らしさを仲間に教え、負傷した同志を決して見放すことなく、病気を患った住民を親身になって治療しました。


チェ・ゲバラ社会主義イデオロギーを世界に広めるために戦ったと解釈するのはいささか歪んだ見方ではないでしょうか。彼ににとってイデオロギーはたんなるツールにしか過ぎないように思えます。どのような苦境にあっても向上心を忘れない姿は、人々に勇気を与えてくれます。

「軍事科学においては兵力に勝る大軍ほど強い」だが、兵士達は知っている。実際の戦闘で物を言うのは、一人の無名兵士によって増幅される《隊の底力》だと・・・。この無名兵士こそ隊の士気そのものであり、士気が高まるも萎えるも彼次第なのだ。士気を高め《なぜ戦うのか》をよく理解した兵士達、彼等は戦う相手が誰であれ指揮官が軍事の天才であれ、並の人間であれ、武器がこん棒であれ、マシンガンであれ違いは無い。彼等のような兵士こそが戦闘を有利に導き、勝利する。」

ゲバラは、「何のために戦うのか」を同志や部下に明確に伝えることに努めます。今自分は何のために、誰のために戦っているのか、わかっている人ほどよい働きをします。「戦闘において勝敗を決する鍵となるのは戦いの意義を充分に理解している無名の兵士である」というトルストイの言葉を実践しています。


ロンドンのカムデンにあるバー「The Cuban」(HP