リフレクション / エレーヌ・グリモー


1. ピアノ協奏曲イ短調op.54(シューマン)
2. リュッケルトの「愛の春」からの詩による2つの歌曲(C.シューマン)
3. 岸辺で(C.シューマン)
4. チェロ・ソナタ第1番ホ短調op.38(ブラームス)
5. 2つのラプソディop.79(ブラームス)

★エレーヌ・グルモー(Hélène Grimaud)は、1985年のラフマニノフの《ピアノ・ソナタ第2番》の録音により、モントルーのディスク大賞を受賞しました。ラフマニノフ以外のレパートリーは、ベートーヴェンシューマンブラームスラヴェルのピアノ協奏曲のほか、リヒャルト・シュトラウスの《ブルレスケ》と、ブラームスの後期小品集があります。フランス人でありますが、フランス近代音楽にさして興味がないこと、ドイツ・ロマン派音楽にとりわけ魅了されることを明言しています。ドビュッシーなどのフランス人ピアニストの伝統のレパートリーにはあまり取り組んでいません。また、21歳で渡米し、現在はニューヨークに暮らしながら動物学を学び、狼の生態を研究しながら、その養育を続けているそうです。自伝的エッセイ『野生のしらべ』も著しています。(Wikipediaより)
ロベルト・シューマンと妻クララ、そしてブラームスという三角関係をコンセプトにした作品集です。ブラームスの報われなかった恋の話を知ると、ますます楽曲から聴こえてくるメロディが切なく感じられるようになります。しかし、彼らの三角関係からは、どろどろとしたものを感じさせない何かがあるような気がします。それは、エレーヌ・グリモーの毅然とした演奏のためでしょうか。グリモー演奏を聴いていると、3人がそれぞれに凛とした態度で運命に対して正面から向かい合っていたのだと感じさせられます。ロマンチストで繊細で、ピアノに向っている時にだけ自身が解き放たれているようなブラームス人間性が浮かび上がってきます。グリモーの演奏から聴こえる慟哭のような楽曲の流れと突如として表れる青空に舞うようなメロディから、この瞬間、救われているといった気持ちになることができます。

人気blogランキング(1クリック応援よろしく♪)