アレキサンダー (2004年)

アレキサンダー [DVD]
★監督:オリヴァー・ストーン
★製作総指揮:ポール・ラッサム、マティアス・ダイル、ピエール・グルンステイン
★製作:モリッツ・ボーマン、ジョン・キリク、トーマス・シューリー、イアイン・スミス、オリヴァー・ストーン
★脚本:オリヴァー・ストーン、クリストファー・カイル、レータ・カログリディス
★出演者:コリン・ファレルアンジェリーナ・ジョリーアンソニー・ホプキンス
★音楽:ヴァンゲリス
★紹介・感想:オリヴァー・ストーン監督によるマケドニア王アレキサンドロス3世の歴史映画。
キャストは、アレキサンダーコリン・ファレルオリンピアスにアンジェリーナ・ジョリーフィリッポス2世ヴァル・キルマープトレマイオス1世アンソニー・ホプキンス、ヘファイスティオン にジャレッド・レトです。
アレキサンドロス3世の生涯については有名な話なので知っていましたが、アレキサンダーの母オリンピアスが、ディオニュソス信仰であったことまでは知りませんでした。夫フィリッポス2世には、“ハデス信者め!”と罵られます。ディオニュソス神とは、集団的狂乱と陶酔を伴う東方の宗教の主神で、特に熱狂的な女性信者を獲得していたと言われます。また、近代では哲学者フリードリヒ・ニーチェによって、アポロンと対照的な存在と解釈されました。
この映画では、母オリンピアスのアレキサンダーに対する精神的な影響が強調されているように思えました。オリンピアスは、アレキサンダーを父に対する反逆者として教育します。アレキサンダーマケドニアの王家の女性ではなく、東方の異教徒の女性を二人も娶ったことは、本人のどんな心理を反映しているのでしょうか。また、アレキサンダーの幕僚であり友人であるヘファイスティオンとの間の男色関係も描かれています。世界を統一した勇者アレキサンダー大王ではありますが、この映画では、大王の心理の複雑さを垣間見たように思えました。同じ勇者とは言え、映画「トロイ」のアキレスのようなストレートな情熱とはまた違ったようにも見えます。