音の瞬間(un momento en el sonido) / Vicente Amigo (2005年)

音の瞬間 (un moment en el sonido)
★曲目
1. デミパティ(ルンバ)
2. 真実の野(ブレリア)
3. メスキータ(ソレア)
4. アルコ・バホのタンゴス(タンゴス)
5. マルコスへのボレロ(愛の歌)
6. シリアと時(ファルーカ)
7. オリエンテ・メディテラネオ(サパテアード)
8. ロカマドール(ブレリア)
9. 音の瞬間(とき)(タランタ)
10. マルコスへのボレロ(弦楽編曲ヴァージョン)
★先日、映画「バベル」のBGMとしてグスタボ・サンタオラーヤ(Gustavo Santaolalla)のギターの音色を聴き、またTVで映画「レジェンド・オブ・メキシコ」で奏でられるスパニッシュ・ギターを堪能して以来、もしかすれば、ギターの真髄は、リード楽器として、時に激しく、時に物悲しく奏でられるスペインの伝統的音楽フラメンコにあるのではないだろうかと強く感じるようになりました。
フラメンコ・ギターといえば、パコ・デ・ルシアの名前がまず浮かびます。パコ・デ・ルシアは、元来フラメンコの伴奏楽器であったギターの奏法を改革し、ソロ演奏としてのフラメンコ・ギターを確立させた偉大な人物です。その後、彼のフラメンコ音楽への影響は大きく、もともと長い歴史を持つフラメンコという豊かな土壌の上に数多くのギターの名手が登場しました。最近、最も注目されているギタリストの一人が、ヴィセンテ・アミーゴです。ヴィセンテ・アミーゴは、パコ・デ・ルシアが切り開いたソロ楽器としてのギターを、さらに洗練させています。
ヴィセンテ・アミーゴは、スペインのセビージャ生まれのコルドバ育ち。幼いころからパコ・デ・ルシアを崇拝し、ボブ・ディラン、キース・リチャード、フィル・マンサネラ、ジョー・コッカージャック・ブルースリチャード・トンプソンが出演した1992年のセビージャ博覧会ではパコのステージ「レジェンダス・デ・ラ・ギタラ」に参加しました。「シウダ・デ・ラス・イデアス」で2001年にラテン・グラミーの最優秀フラメンコアルバム、2002年オンダス最優秀フラメンコ作品を受賞しています。ちなみに、有名なフラメンコ・ギタリストの一人、トマティートはこの頃には既にフラメンコ・ギターの重要な賞を数々受賞しています。
2005年に発表された通算5枚目の「音の瞬間(un momento en el sonido)」は、ブレリア、ソレア、ファルカ、タランタ、タンゴ、ルンバ、サパテアード、ボレロが、彼独自の内省的な演奏で解釈されています。ビセンテ自身もかなりフラメンコの核心に迫った作品と評価しています。さらに、このアルバムでは、フラメンコでは従来使われてなかったバンドネオンという楽器が使われており、実験的な試みも垣間見られます。


Vicente Amigo - Alegrias



Vicente Amigo - Solea



Vicente Amigo - Taranta



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