岩倉・上高野をめぐる

京都洛北の岩倉・上高野を歩きました。桜が散り終わった陽春の時期は、植物の葉が青々しくてとても新鮮な気持ちになります。寺社の庭園のコケ(蘚苔類)も生き生きとしています。そして人もまばらなので、気持ちが落ち着きます。


今回の散策ルートは、円通寺妙満寺→実相院→大雲神社→石座神社→山住神社→三宅八幡宮蓮華寺→崇道神社 でした。


妙満寺
顕本法華宗の総本山です。左手の巨大な仏舎利大塔は、京都では異観な趣です。この寺には、子院成就院にあった洛中「雪月花」三名園のひとつ「雪の庭」が復元されています。それにしても、こんなに隅から隅まで綺麗に手入れが行き届いた境内も珍しいと思います。朝早くから若い僧侶の方がせっせと庭を掃除されていました。



実相院
陽春から初夏にかけての「床緑」と秋の「床紅葉」が有名です。こういう感性も日本人ならではですね。京都の庭は、一つの季節に一度だけ訪れてみても、すべてわかるわけではないと感じます。言葉にはできないちょっとした変化や心遣いを感じたときに、そのよさがじわっとわかるって感じです。



岩座神社
二社のうち、東社は、石座、新羅、八幡、山王、春日、住吉、松尾、賀茂の八所明神を祭神とし、西社は、この八所明神に加えて、伊勢、平野、貴船、稲荷の十二所明神をまつっています。



蓮華寺
ここの庭は穴場かもしれません。今週たくさん雨が降ったせいもあってか、ミズゴケやスギゴケが生えそろっていました。






比叡山
専修寺からの比叡山の眺めです。円通寺でもそうだったのですが、このように霊峰比叡山をあからさまに観ずに、木の間から遠慮がちに観るように庭に木々が植えてあります。日本人らしい感性ですね。



最近、岩倉の西側、東側、北側のどこも宅地化が進んでいるようで、水田、畑は少なくなっているようです。ちょっと期待はずれでした。



三宅八幡宮
子どもの疳の虫など、さまざまな小児病を治す神として信仰されています。入り口に狛犬ではなく、鳩が置かれているのは珍しいですね。神鳩は子供が健やかに成長した折にお礼にお返しにくるというならわしがあるそうです。