南 直哉 / AERA 2月2日号

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昔と比べて、現代は死というものを引き受けるのは、集団のレベルから個人のレベルへとシフトしてきているように思えます。逆に考えると、生を語るときは、個人のレベルで語られる方が、よりリアリティが増すとも言えるかもしれません。宗教は、最大公約数的な幸福を語っているような印象を今まで懐いてきましたが、南直哉さんの著書を読むと、私の生と死といったように、リアリティのある思想が描かれているように思えます。しかし、その反面、ただ単に生き様を説いたのではなく、根底には何かしっかりしたものが流れているようにも感じられます。個人的には、宗教の本質を見抜いている人なのかもしれないと思い、いつもその著書やインタビューで語られる言葉に耳を傾けています。