ゴッドファーザー PartIII (1990年)

ゴッドファーザー PartIII <デジタル・リマスター版> [DVD]


監督:フランシス・フォード・コッポラ
製作総指揮:フレッド・フックス、ニコラス・ゲイジ
製作:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:フランシス・フォード・コッポラマリオ・プーゾ
出演者:アル・パチーノダイアン・キートンアンディ・ガルシアタリア・シャイアイーライ・ウォラック
音楽:ニーノ・ロータ、カーマイン・コッポラ


ゴッドファーザーのシリーズは「パートI」が一番人気のようで、「パートII」、「III」となるにしたがって認知度が落ちていくように思います。「パートIII」は、マフィアのボスとして絶大な権力を握ったマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)の最晩年の物語です。
実は僕が一番繰り返しみているのは、「パートIII」です。なぜ何度もみてしまうのか、自分でもわかっていませんでした。しかし、先日人と話していて、ふとその理由のようなものに気がつきました。「パートIII」のよさを一生懸命説明している自分に気がつきました。
一番好きなシーンはどこかと聞かれた場合、マイケルが妻のケイ(ダイアン・キートン)を故郷のシチリアに案内するところと答えます。「パートII」では、マイケルはドンとなり、どんどんと冷徹な人格へと変わってゆき、職業上自分の「家」が仕事場ですから、妻や子どもにさえも秘密をたくさん持ちながら生きていかなければならない「苦悩」と「孤独」の人になってしまいます。
「パートIII」では、年老いたマイケルが妻を初めて自分の故郷につれて行き、ボディーガードもつけずに実家や村などを案内してまわります。そして、食事中に自分の過去の態度を謝ります。本音を告白します。それを聴いて、妻も謝り、仲直りします。
「パートIII」は、マイケルの過去の清算とみることもできるかと思います。妻に本音を語る姿、神父さんに罪の告白を行う姿は、やってきたことをみれば当然と思われるかもしれませんが、マイケル本人の立場になって考えてみると、非常に苦しくなります。そして映画のラストでは、酷すぎる罰が与えられます。初めてみたときは正直ショックでした。しかし、このラストがあるからこそ、また映画全体をもう少し客観的に見られるのかもしれないとも思ったりします。