曽爾高原

さとかんのイベントで奈良の宇陀郡にある曽爾(そに)高原で1泊2日の自然観察会&勉強会に参加しました。宿泊施設は曽爾青少年自然の家を利用しました。


日本一の茅場(すすき野原)と言われるだけあって、見事に一面のススキでした。ススキはイネ科です。かなり地味ですが花が咲きます。花粉は風によって媒介され、受精します。それぞれの穂を見てみると、赤い花が咲いているものと、花が散って白い種が膨らみ始めているものが混在していました。今は、ススキたちにとって、もっともにぎやかな季節です。


ススキは、曽爾村の萱葺き屋根の材料として長年使われてきました。人の利用のためにこのような風土が形成されていったのです。この周辺にもかつては茅葺の家がたくさんありましたが、最近はほとんど見かけなくなりました。


自分の心の原風景にはない自然の様子でした。しかし、どういうわけか心落ち着くものがありました。最近、美意識というものは、どこからくるのだろうかとよく考えさせられます。遺伝子レベルでどこかに刻み込まれているのか。何かの観念が天から降ってきて心に生じるのか。幼少期の思い出が心の奥底に眠っているのか。それとも、今回のように、自然を目の当たりにすることによって、また新たに経験値として、美しいイメージが追加されていくのか。いずれにせよ、この風景を目の前にして、美しいと思う人は多いのではないでしょうか。


ちなみに、秋の七草は、はぎ、ききょう、すすき、くず、おみなえし、ふじばかま、なでしこ です。





植物の中で最も人類に利用されている分類群は、イネ科だと言われます。イネ(米)、コムギ(小麦)、トウモロコシ、オオムギ、ライムギなど、狭義の穀物はイネ科に属します。ススキ、パンパスグラス、サトウキビやタケなど馴染深い資源植物が多く含まれます。






ゲンノショウコ
フウロソウ科多年草。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味するそうです。葉っぱをちぎって食べたのですが、本当によく効きました。