少し足をのばして、滋賀県大津市にある三井寺まで行ってきました。ちょうど観音堂の秘仏、如意輪観世音菩薩が開帳されていました。
天台宗門宗の総本山。三井寺と呼ばれる所以は、天智・天武・持統天皇の産湯に用いられた霊泉がある、「御井(みい)の寺」と呼ばれていたものを、後に智証大師が、寺の厳儀・三部潅頂の法水に用いた言い伝えがあるからです。
琵琶湖疏水(三井寺付近)
仁王門
金堂
三井寺は「秘仏の寺」ともいわれ、めったに拝観することのできない秘宝を多く伝えています。現在、京都の青蓮院で青不動が開帳されていますね。今年の2月にはサントリーミュージアムで三井寺展があり、秘仏が一挙公開されていました。
金堂の裏通路には、いくつかの貴重な仏像があり、その中のひとつに、三井寺の秘仏画像「黄不動像」を忠実に彫刻化した不動明王立像(黄不動)(重文)が安置されています。実はこれをみるだけでも迫力がありました。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol01/より
閼伽井屋
建物の正面には、左甚五郎作と伝えられる龍の彫刻があります。
三井の晩鐘
三重塔
潅頂堂
観音堂
如意輪観世音菩薩が開帳されています。
「秘仏」はめったにみられないからこそ意味があるのだと思います。如意輪観世音菩薩の傍で解説をなさっているお坊さんがおっしゃっていたことが印象深いです。「このようにパンフレットなどで写真を公開しているが、この写真はあくまで写真なのであって、魂を抜いた状態で撮影している。本当の魂の宿ったご本尊さんは、ここにおられる」というようなことを聞きました。
確かに、インターネットの発達により、仏像や美術品のコピーが出回ってしまいます。しかし、今のネット社会で宣伝しようと思うと、やはりある程度はさらけ出さざるをえないのかもしれません。
2月のサントリーミュージアムの時に秘仏画像「黄不動像」をネット公開しなかったのは、ぎりぎりの対処方法だったのでしょう。
「魂」という観点。非常に考えさせられました。
三尾神社