東福寺の塔頭



退耕庵
チベットタンカ絵師・馬場崎研二氏の帰国展を観に行きました。退耕庵は、普段は非公開の塔頭ですので、二重の楽しみがありました。


ちょうど今、ダライ・ラマ法王14世が来日されていますね。


タンカ(Thangka)とは、チベット文化圏(中国チベット自治区、ネパール、ブータン、モンゴル、北インド方面)で作られる布に描かれた宗教画のことです。ふつう白亜と動物の膠によって地塗りされた綿織物に描かれ、掛け軸のように表装されて飾られます。顔料は伝統的な鉱物からのものと、染料から作られたものが使われるようです。


個人的に眼を引いたのが、カーラチャクラとチャクラ・サムヴァラでした。タンカや曼荼羅を観ていて感じることを正直に言うと、「生」と「死」、「男」と「女」、「善」と「悪」、「美」と「醜」、「真面目」と「遊び」が混在しているなということです。二極対立で書かれているわけではなく、統一化しようという動的な働きが感じられます。ユングの四位一体論の根底にはこのような思想があったのだろうなと思ったりします。


カーラチャクラ
この絵が意味するところは、通常の時間の概念を克服することだと言われます。
http://hokuseikai.jp/openspace/image/babasaki2/3-98s.jpg
http://hokuseikai.jp/openspace/babasaki2.shtmlより


チャクラ・サムヴァラ
「最上の歓喜の輪」と呼ばれ、無上ヨガの観想の修行に用いられる尊像とされます。
http://hokuseikai.jp/openspace/image/babasaki2/4-98s.jpg
http://hokuseikai.jp/openspace/babasaki2.shtmlより








霊源院
ピラカンサの実が真っ赤でした。



大機院



東福寺偃月橋より



天得院






勝林寺・毘沙門堂
毘沙門天は、古来より財福、戦勝の神とされます。仏教では四天王の一人でもあり、鬼門にあたる北方守護と司ります。使い番はムカデだそうです。
本寺院では、毘沙門天(父)、吉祥尊天(母)、善膩師童子(子)と親子で三体並んで安置されることは非常に珍しいらしいです。今冬、特別に83年ぶり(昭和元年以来)の御開帳とのことです。他にも毘沙門天曼荼羅の精密な版木(田村月樵作)、櫟(あららぎ)文峰作「虎の大襖絵」が公開されていました。









ツバキ