緒方洪庵生誕200年記念・えがかれた適塾 / 大阪大学総合学術博物館

第10回医療・社会・環境研究会に参加しました。今回は阪大の豊中キャンパスでした。そういえば、ここ2年くらいで阪大には3回くらい来ています。豊中キャンパスは、丘陵地にあるためか、キャンパス全体もでこぼこした印象を受けます。今までは大阪にあるというだけで、平たいキャンパスのイメージだったのですが、違っていました。


ここ豊中キャンパスは、待兼山大阪医科大学予科校舎に始まるそうです。その後、池の埋め立てや、待兼山に連なる丘陵部の造成により、キャンパスは徐々に拡張・整備されていきました。ちなみに今回研究会の会場であった、キャンパスのシンボルでもある、「イ号館」(大学教育実践センター共通教育本館、総合学術博物館を併設)は、この浪速高等学校の高等科本館として、1929 年に竣工したものだそうです。ネオゴシック様式で、学内最古の建物で、国の有形文化財にも登録されています。


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研究会の後に、大阪大学総合学術博物館で開催されている「緒方洪庵生誕200年記念・えがかれた適塾」をみました。


今年は緒方洪庵(1810-1863)の生誕200 年にあたるとのこと。洪庵が先導した種痘やコレラ予防の教えは、感染症予防の先駆けとして高く評価されているようです。適塾蘭学塾として、福澤諭吉大鳥圭介・長与専斎ら、多様な人材を輩出しました。漫画家手塚治虫の先祖は、適塾門下生、手塚良仙光亨(良庵)なんだそうです。手塚治虫は『陽だまりの樹』で洪庵を生き生きとえがきました。


また、小説家司馬遼太郎(大阪外国語学校=現在の阪大外国語学部卒業)は、小説『花神』の冒頭で、適塾大阪大学の前身、洪庵を「校祖」であると述べています。このことより、適塾懐徳堂とともに大阪大学の源流と位置づけられることもあるそうですが、これに関しては賛否両論あるそうです。


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