広瀬和生さんといえば、ヘヴィメタル雑誌「BURRN!」の編集長ですが、落語が好きなのは雑誌を読んでいてもちょくちょく話題に出てきていました。しかし、ここまで専門家だったとは知りませんでした。
私は落語はほぼ知識がなく、何か入門書をと思っていたところに、そうだ広瀬和生さんのを買おうと思いました。
それにしても、ヘヴィメタルと落語どこに接点があるのだろと思いながら本書を読みながら、Spotifyなんかで有名な落語家の噺を聴いていました。「ライヴ」というのは共通項ですね。あと、ヘヴィメタルにも色んなスタイルがありますが、ある程度形式が定まった時代のヘヴィメタルを「様式美」と呼んでいます。曲の展開に、起承転結があります。ある程度、型がある上で、自分達の演奏力の高さや独自性を盛り込んでいくことで、マニアを唸らせます。その意味では、落語にも、下地になる話の展開や構造があり、いかに自分の味を出すか、その塩梅を楽しむという感じでしょうか。保守性と創造性のバランスを楽しみます。
本書は、ほぼ毎日寄席に通う広瀬さんだからこその「生きた落語」が語られます。大御所の噺家はもちろん最近注目の中堅噺家についても詳細で特徴を得た解説が読めます。
さすが、メタルでも新人バンドのライヴに足を運んでいただけあって、落語家の分析も鋭いです。
新ニッポンの話芸 ポッドキャスト 第503回 【広瀬和生著「落語の目利き」(題字・イラスト三遊亭兼好)絶賛発売中!】 - 新ニッポンの話芸ポッドキャスト 別館 | Podcast on Spotify