Study: 的形湊神社 国恩祭

5月5日(金)、的形湊神社にて国恩祭が開催されました。国恩祭とは、旧加古郡・旧印南郡の神社が地域の繁栄と安泰を願い、22神社が輪番で開かれている祭りです。起源は、天保4年(1833年)、大飢饉の勃発による人心荒廃を憂いた地域の神職が集い、『祓講』という神社の組合組織をつくり臨時大祭を行ったのが始まりといわれます。秋の例大祭とは違い、御旅所には行かず、お宮での行事が中心です。

的形湊神社は、屋台練りの激しさでも有名なので、多くのギャラリーが詰めかけていました。色々な期待のこもった祭りでしたが、期待以上のものだったと思います。これぞ播州の祭りと言える激しさで、神社境内での屋台練り合わせでは、ギャラリーも揉みくちゃにされながらの鑑賞でした。

的形湊神社の屋台練りを見たのは初めてでした。今回は、各地区、他の地域からの助っ人も多かったようで、かなりの熱量でした。練り合わせがあってこその播州の祭りと思います。さらに、屋台の豪華さについても、一見の価値がありました。

・地屋台・・・龍の屋台紋が美しく、屋台の全体のプロポーションも良かった。

・苅屋屋台・・・伊達綱が銀と金という豪華な極太綱で、練りも激しかった。

・北山河屋台・・・狭間彫刻が中国古典もので、すぐには題目がわからず、また調査が必要です。

・南山河屋台・・・赤色の伊達綱が北山河の紺色とコントラストになっており、この屋台も練りが激しかったです。

・福泊屋台・・・木場屋台を思わせる早打ち太鼓が心地よく、練りも激しいです。熱心のファンも多い感じでした。

・児島屋台・・・蔵入れまでついて行きました。屋台を担いで蔵まで行こうとしていましたが、途中やむなく台車を入れましたが、坂は担いで登りました。

・大鳥屋台・・・屋台のデザインが伝統的なスタイルで、水引幕ではなく綱をあしらったものでした。

祭りの激しい浜手の町や村を訪れていつも思うことは、町並みはとても穏やかで静かだということです。繁華街があるわけでもなく、観光客が多くいるわけでもない場所に限って、灘のけんか祭りのように、非常に気性の荒い祭りが開催されてきました。

私は、このギャップがとても好きで、こんなことを言うと、おこがましいですが、自分自身の性格と重ね合わせてしまいます。何か自分の中に蓄積したネガティブな感情が、祭りによって昇華されているように思えるのです。

「穏やか」「道徳的」「優しい」といった言葉で何か自分が外部から抑圧されているようなところがあり、そういった外部からの抑圧が、屋台の太鼓の音や練り子の掛け声により、叩き潰してくれるような気がします。祭りの時の私の心は、戦場のようです。屋台同士がぶつかり、ガブリ寄り、どちらかの屋台に土が付けられる。勝った方は差し上げを行う。この様子に、なんとも言えず、勇気づけられます。その間中だけは、人生の悩みさえも忘れられます。

人と会話して、お酒を飲んで、解消される人もいるようですが、自分はコミュ障なのかHSPなのか、飲み会はストレスです。こうやって、音と向き合う方が性に合っています。

結果的に、祭りの後には、穏やかな、瀬戸内海の凪のような心で日常生活に帰れるので、これも神様のおかげだと思い感謝しています。

そういえば、自分は一応、姫路で生まれ、幼稚園までは、お城の東側の東高のすぐ近くで過ごしていたそうです。

世弥栄

 

 


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