ラスト・サムライ (2003年)

ラスト サムライ [DVD]
★監督:エドワード・ズウィック
★製作:トム・クルーズ、トム・エンゲルマン、マーシャル・ヘルスコヴィッツ、スコット・クロープ、ポーラ・ワグナー、エドワード・ツヴィック
★脚本:ジョン・ローガン
★出演:トム・クルーズ渡辺謙真田広之小雪原田眞人ティモシー・スポール 、ビリー・コネリー 、トニー・ゴールドウィン
★音楽:ハンス・ジマー
★紹介・感想:2003年に公開された日本合作映画。海外の人が思い描く、日本の武士道の在りようを観るにはいい映画です。こうやって、内からではなく、外の人が描いた自分の国の文化を見るのもいい刺激になりますね。もちろん、トム・クルーズ以外は、ほとんど日本人のキャストなので、一方的な見方ではなく、俳優の渡辺謙真田広之小雪による日本の色が大きく影響しています。
この映画で一貫して描かれているものは、日本人、特に武士の世界にあった固有の内面の強さ、高潔さ、したたかさだと感じられました。侍(samurai)には、戦をする場合でも人を殺すときも自害するときも、”死にざま”を尊重する文化があるよう思えます。”生きざま”は、”死にざま”であるといっても過言ではないかもしれません。それは、渡辺謙演じる勝元盛次が最もな例であり、トム・クルーズ演じるネイサン・オールグレンの回心の様子からも伺えます。オールグレンは、勝元のもとで1年暮らし、動から静へと移り変わります。また、小雪演じる“たか”によって映し出される日本の古風な女性の姿も印象深かったです。夫を殺され、家族に入り込んできたオールグレンには、直接、“臭い”だとか、“憎い”だとかといった言動を起こしません。じっと耐えています。たかの表情にときおり翳りがさす程度です。外からは見えないが、心のうちで燃え滾る焔は、相当なものでしょう。本音よりも、与えられた大義名分に忠実なのは、この国特有の気質なのでしょうか。桜のように綺麗ではかない人生です。
規則正しく、自分に厳しく生きる勝元一族によって描かれる武士道からは、何か懐かしいような、今の自分たちが忘れているものが問われているような気がしました。政府軍が最新の散弾銃を使おうとも、あくまで刀と馬と弓で戦う武士の魂。相手に勝つのではなく、己に克つことが武士の精神だと強く感じさせられました。
勝元らが暮らす寺のロケ地は、兵庫県姫路市にある書寫山圓教寺なんですね。実家に近いのでまた観光にいったみたいです。



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