或る音楽 / 高木正勝 (2009年)

menpeiさんのブログの記事を読んで興味がわいたので観にいって来ました。東寺の近くにあるレトロな映画館、みなみ会館はすぐ近所です。


高木正勝さんのHPには、

太古のヒトが初めて「音楽」を奏でたとき、
それはどんなものだったろう?
受け継がれているはずの
「大いなる流れ」に触れようとする
楽家たちを見つめた、
「ある音楽」の記録。

とあります。


高木正勝さんの作品「或る音楽 」を観て行くうちに、音楽の核心に触れようと深く深く探っていく作業のように思えました。波打ち際の部屋で風と波の音を聴きながら楽器を奏でる高木正勝さんの姿が印象的でした。「若い頃は、風や波の音は、環境音楽としてとらえていたけれども、歳をとったせいか、自然の音を聴きながら楽器を奏でると、対話しているように感じる」と、語られていました。


確かに、「音楽」の原点は、自然の音なのかも知れません。知性を持った人間を媒介させることによって、「音楽」になる。ずっとずっと探っていくと、自分の奥底に流れている自然(本能)のようなものに触れられるときがあるのでしょう。


波の音、風の音、雨の音、馬の足音、心臓の鼓動・・・


人間が「流れるもの」と接触するとき、新しい光が産み出されるのかもしれません。