Anna Maria Jopek with Pat Metheny

日本のように湿度の高い夏が訪れる地域では、パット・メセニーが奏でるような音色は生まれえないのではないだろうかと、いつも思います。カラっとしていて、広がりがあって、軽快な音楽っていうのは、とても遠い存在なのかもしれません。


しかし、なぜか自分は、「Still Life」やジム・ホールとの共演など、ふとしたきっかけで耳に入り、忘れ物を思い出して急遽ひっかえすときのように、パット・メセニーの音楽を思い出したかのように聴き直すことが多いです。そして心が浄化されるような気持ちになります。もしかすれば、自分が浸っている文脈から遠いからこそ、わかるものがあるのかもしれません。


このアルバムはもっていませんが、ポーランドで話題を巻き起こした女性歌手、アンナ・マリア・ヨペックとの共演です。


透明感溢れる歌声と、ポーランド語の語感がもたらす不思議な魅力が相俟って、本当に別世界にいる気持ちになります。


よくよく聴いていくと、東洋的な音階も特徴のひとつで、もしかすればすごく深いところで、東洋人の琴線に触れているのかもしれないです。パット・メセニーの懐の深さに感服です。