Books: 騎士団長殺し / 村上春樹(2019)

村上春樹の小説、今回は日本語を先に読みました。「色彩を持たない〜」やいくつかの短編小説は、英語を先に読みました。「騎士団長殺し」は、私が好きな「ねじまき鳥クロニクル」に匹敵する、もしくはそれ以上の作品であったと読後感がありました。村上春樹にしては、スケールは大きく、戦中のヨーロッパと日本、1980年代の日本、東日本大震災前後の日本と場所と時間軸が大きく動きます。ただし、骨子になっている部分は村上ファンタジーワールド全開です。ねじまき鳥では、井戸が一つのメタファーになっていましたが、今回も、祠の穴を巡って物語が展開します。父親殺し、ユング心理学シンクロニシティクラシック音楽をモチーフにしているところも、村上節健在です。今回の小説で新しいところは、やはり「妊娠」、「子ども」でしょうか。やはり村上春樹がいいなと思う点は、科学的でないところです。信じることで、観念(イデア)として他者を受け入れることで物語が終結するところです。観念と真逆の存在として設定されているのは、免色さんでしょうか。免色さんは、なんのメタファーでしょうか。

 

 

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(上) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(上) (新潮文庫)

 
騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)

 
騎士団長殺し 第2部: 遷ろうメタファー編(上) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第2部: 遷ろうメタファー編(上) (新潮文庫)

 
騎士団長殺し 第2部: 遷ろうメタファー編(下) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第2部: 遷ろうメタファー編(下) (新潮文庫)