Music:  Halo / Amorphis (2022)

 

Halo [Analog]

Halo [Analog]

  • アーティスト:Amorphis
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フィンランドヘヴィ・メタル・バンド、アモルフィスの3年ぶり14作目のアルバムが、今年の2月にリリースされました。彼らは今年でデビュー30周年のベテランバンドです。デスメタルファンの間でも根強い人気があります。本作はジャケットが東欧ないしは北欧のフォークロアな印象を与えます。

彼らは、結成は90年、当時はモービッド・エンジェルやカーカス、パラダイス・ロスト等からインスパイアされたデス・メタルをプレイしていていました。アメリカの名門リラプス・レコードとの契約を手にすると、92年に『The Karelian Isthmus』でアルバム・デビュー。オルガンやミニモーグをフィーチャしたセカンド・アルバム『Tales from the Thousand Lakes』(94年)は、今も語り継がれる永遠の名盤です。96年のサード・アルバム『Elegy』以降は、同郷のキングストン・ウォールやPiirpaukeといったプログレ系のバンドからの影響を受けた彼らは、フィンランドだけでなく、オリエンタルな民族音楽の要素を大胆に導入しました。

本作『ヘイロー』は、ミックス/プロデュースはおなじみのイェンス・ボグレン。本作について作曲を数曲手がけたギタリストのエサ・ホロパイネンは、「最初から最後までアモルフィスらしい作品だけれど、前作よりも少々ヘヴィでさらにプログレッシヴだ」と語る。一方ヴォーカリストのトミ・ヨーステンは、「前作よりもアレンジメントがシンプルになっている部分がある」としています。

アモルフィスは毎回新作を出すたびにクオリティの高い仕上がりで、安定感があります。例えば、アイアン・メイデンもそうですが、大きく音楽性は変わることはないのですが、ディテールの部分で様々なエッセンスが盛り込まれており、ファンはその繊細な変化を楽しめます。やはりなんといっても、ヴォーカルのトミ・ヨーツセンの表現力が魅力でしょう。グロウル(うなり)とも形容される彼のデスヴォイスは、一貫して彼らがデスメタルバンドであることを誇示しながらも、一方でクリーンなバリトンヴォイスが音に温かみを効果的に演出しています。

バリトンは、バスよりも高く、テナーよりも低い声域です。バリトンのボーカリストはメタルの世界では多く、メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドやパラダイス・ロストのニック・ホルムズあたりの深みがあり、落ち着いた歌唱が特徴です。デスメタルにクリーン・ヴォイスを持ち込むのは、多くのバンドが試みていることですが、テナーほどハイトーンの音域を多用しないので、感極まるようなパートは少ないかも知れません。音を高くするよりも、声量を多くして、バックの演奏の音圧も大きくして全体として盛り上がるスタイルが多いかも知れません。

【メンバー】
トミ・ヨーツセン(ヴォーカル)
エサ・ホロパイネン(リードギター)
トミ・コイヴサーリ(リズムギター)
オーリ=ペッカ・ライネ(ベース)
サンテリ・カリオ(キーボード)
ヤン・レックベルガー(ドラムス)

 
 
 
 
 
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