公共性

アレントの本を読むと,ハイデガーが捉える「公共性」とは異なっていることがすぐにわかった.
ハイデガーは,公共性を,個性を失ったひと(ダス・マン)の集合とみなして,否定的に取り扱っているが,アレントは,これを逆手にとり,
公共性を,互いに共通性と異質性をもつ人々が言語活動をとおして共有する世界とみなしている.
ただ,アレントの公共性論からは,経済をはじめ,包括的に社会科学を横断する考え方には発展しにくいとも言われている.