特別展「聖地チベット ―ポタラ宮と天空の至宝―」 / 大阪歴史博物館

前々から楽しみにしていたチベット展に行ってきました。


カーラチャクラ父母仏立像



チベット密教の仏像でいつも強烈なインパクトを与えられるのが、カーラチャクラ父母仏立像です。方便(慈悲)の象徴である男尊(父)と空の智慧(般若)の象徴である女尊(母)が抱き合っているものです。二人の合一によって到達できる悟りの世界を象徴しています。非常に写実的に創られています。ただし、現地では、在俗信者に見せるべきでないとされるところから、堂内では錦の衣をまとった姿で祀られているそうです。人間にとって「生」と「性」のいずれも非常に重要な問題であるのは確かです。このように”性”をリアルな形で表現している宗教は他にあるのでしょうか。とても不思議です。


十一面千手千眼観音菩薩立像



どの仏像もリアルに描かれているのを感じます。表情もとても豊かで、眼も生き生きしている感があります。現実にいてもおかしくないような気になります。そして、スタイルもよく、セクシーです。躍動感に溢れています。チベットというとても気候が厳しく、まさに最も天に近い聖地で修行している人には、神が観えているのかもしれませんね。