車前草(サイエンス・コラム)



車前草。何と読むかわかりますか?答えは、オオバコです。


畑地、庭、道端などいたる所に普通にみられる草です。いわゆる雑草と呼ばれる植物です。この植物は、踏みつけに強く、人やクルマに踏まれやすいところに好んで生息しています。車前草という名前の通り、田舎道の道端にはオオバコが一面に見られました。また少し山に入った時にも、このオオバコが生えていることによって人の通り道の目印、また人里が近いことがわかります。


4〜6月に細長い数本の花茎を伸ばし、先に穂がつきます。花は白色または薄紫色です。


オオバコの果実は種子の入ったカプセルのような構造で、フタが取れると中から黒い小さな種子が出てきます。この種子は水に接すると、粘着性が強くなり、人の足や車輪に付着して遠くに運ばれ、種子が乾くと芽を出します。いわゆる、動物付着散布型の種子です。


オオバコの乾燥葉は、漢方にも用いられます。プランタギニンという主要成分により、利尿薬、鎮咳薬として用いられます。


「雑草のごとくたくましく、したたかに」と言われますが、オオバコもそういった強さを兼ね備えた植物のひとつでしょう。

はりま里山研究所企画「サイエンスコラム」
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