葉っぱはなぜ緑色なの?(サイエンス・コラム)



疑問:植物の葉は、どうして緑色なのでしょうか?


それは、クロロフィル葉緑素)が緑色だからです。クロロフィルというのは、葉の細胞の中にあります。光エネルギーを使って、二酸化炭素と水からエネルギー(糖類)を作り出し、酸素を大気中に放出しています。クロロフィルは、植物が生きていくためにとても大切な化学物質です。さらには、人間も含め動物の多くは、呼吸するためには酸素が必要ですから、植物の光合成は地球上の生き物にとっても重要な役割を果たしています。


さらに考えてみましょう。


クロロフィルが緑なのはなぜなのでしょう?」


ヒトは、紫・青・緑・黄,橙・赤とさまざまな色が見えています。植物の葉が緑色に見えるというのは、クロロフィルが赤色(680 nm前後の光)と青色(430 nm前後の光)の光を吸収しているからです。一方、緑色の光をあまり吸収されずに、反射されています。


ここでよく誤解されるのですが、植物は緑色光をすべて反射して、捨ててしまっていると言われることがあります。実はこれは正しくない理解です。確かに、青色光や赤色光に比べると、吸収しにくいです。かといって、緑色光をすべて反射して、捨ててしまっているのではありません。植物も、葉に当たった光を、一度にすべて吸収するのは難しいようで、吸収しそこねた光は、細胞間で散乱しています。散乱した光のうち、再吸収されやすいのは、緑色の光なのです。また、太陽の光が強い場合には、葉の表側のクロロフィルたちが強い光を受けてフル活動していっぱいいっぱいなのに対して、裏側のクロロフィルたちはやや余裕があります。そういったやや活性の低い裏側のクロロフィルたちの活動力を上げさせるのが、緑色光です。


植物の葉っぱは、緑色なのは、クロロフィルという緑色の物質が葉の細胞内にあるからです。そのクロロフィルは、光合成する場合に、光のうち赤色光と青色光を吸収しやすい性質を持っています。といっても、緑色光をすべて捨てていることはなく、葉の表で吸収しきれなかった光のうち、緑色光をとりわけ効率よく吸収しています。


さすが植物ですね。太陽との付き合いが長いだけあります。もしかすれば、太陽光発電などの技術にも応用できるかもしれません。動植物から人間が学ぶことは今後も多いでしょう。


はりま里山研究所企画「サイエンスコラム」
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