タイトルは、「バイオ研究、ハイテク化が進む」
・アメリカ・ボストンのある研究室では、自動化が進んでいる。従来はラボ・テクニシャンの仕事であったマイクロピペットによる分注、遠心分離機、遺伝子シーケンサーなどの装置の操作がFA(ファクトリー・オートメーション)として稼働している。工学(エンジニアリング)分野で使用される装置が、ここバイオ系の実験室で応用されているのだ。
・このラボの提案者は、生物学を食料生産、疾病対策、エネルギーの創出、水の浄化のために組み直すことを計画している。コンピューター化、自動化、人工知能が現実となった現在、この計画は、もはやSFの話ではない。最近では、合成生物学の分野に投資が盛んになっている。
・ギンコ・バイオワークス(Ginkgo Bioworks)の創始者の一人Jason Kellyは、「コンピューターをプログラムするのと同じくらい容易に、細胞をプログラム可能にすることが最終目標だ」と語る。
・しかし、コンピューターは電気信号であるのに対して、生物のデバッグ、編集、試験のためツールには、実験室、分析装置など物理的な空間が必要になる。
・Ginkgoの顧客が初めてついたのは2014年のことだが、現在は食品、農業、製薬業界と幅広く、数十の顧客がいる。
・農学分野では、Bayer社は農業をより持続可能にするため、窒素固定の微生物の設計を手がけた。このことにより、化学肥料の使用量が削減され、土壌汚染を軽減が期待されている。
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キーワード
Synthetic Biology 合成生物学
合成生物学(Synthetic Biology)の発展
生物機能のデータ化の進展により、合成生物学(=ゲノム編集等により、代謝等の生物機能を人工的に設計した細胞等をつくる学問分野)が発展。高度に機能がデザインされ、機能の発現が制御された生物細胞(=スマートセル)を創出し、これまで利用し得なかった“潜在的な生物機能”を引き出し、利用することも可能に。(経済産業省)Factory Automation (FA)ファクトリーオートメーション
工場における生産工程の自動化を図るシステムのこと。FA(エフ・エー)と略される。日本では実用化の初期にオートメと略称されていた。(Wikipedia)