Music:  Traces of You / Anoushka Shankar (2013)

 

Traces of You [Analog]

Traces of You [Analog]

Amazon

 

アヌーシュカ・シャンカール(Anoushka Shankar)は、ビートルズにも影響を与えた20世紀最大のインド古典音楽家シタール奏者のラヴィ・シャンカールの娘さんです。ノラ・ジョーンズは異母姉にあたります。

2005年にはインド古典と現代音楽を融合させたコンテンポラリー・アルバム『ライズ』で、グラミー賞ワールドミュージック部門にノミネートされました。07年には、『水の旅(Breathing Under Water)』でノラ・ジョーンズと初共演を果たしたり、スティングも参加しています。本作でも、ノラ・ジョーンズがヴォーカル&ピアノで3曲参加しています。

『トレース・オブ・ユー』は、“この宇宙のすべてのものは忘れがたい印を残す”―もしくは、かすかな足跡― 偶然に出くわしたすべてのものにも印がある・・・という気付きから発展した作品です。トレース(軌跡、痕跡、印)とは、姉妹による父ラヴィ・シャンカールへのオマージュとも解釈できますし、森羅万象の証であったり、さらには、ヒンドゥの神々の軌跡とも捉えることができるかもしれません。

英国人コンポーザー、マルチ・インストゥルメンタリストのニティン・ソーニー(Nitin Sawhney)によるプロデュース。長きにわたってコラボしているタブラ奏者Tanmoy Bose、フルート奏者Ravichandra Kulur、パーカッション・ウィザードPirashanna Thevarajah。ハイライトは、ノラ・ジョーンズNorah Jones)やユニークなサウンドを奏でるハングドラムマヌ・デラゴとのコラボ。

『トレース・オブ・ユー』はインド伝統ラーガ、西洋のクラシック・ストリング・アレンジメント、20世紀半ばのスタイルの詩の歌詞やサウンドスケープが聴かれる。アヌーシュカはモダンで新鮮な方法で再解釈しながらも、父であるレジェンド、ラヴィ・シャンカールから学んだインド音楽の伝統を守っています。

インドの古典音楽と現代の音楽の融合という意味でも、大変興味深いです。シタールの音は、ビートルズの曲でもなんとなく聴いたことのある人も多いのではないでしょうか。伝統を守りつつも、新しいものと融合させるというのは、大変難しいことだと思いますが、大昔からこういう音楽があったんだなぁと思わせるくらいに見事に構築されています。

 

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by Shuji Kuroda (@lalakoora)

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by Shuji Kuroda (@lalakoora)