とりあえず,図書館でドゥルーズの「ベルクソンの哲学」を借りてきた.それから,哲学のエッセンス・シリーズの檜垣立哉著の「ドゥルーズ」を読んでみた.これがすごく面白い!部屋の片隅で眠っていた本が目覚めたって感じ.
ドゥルーズの哲学の特徴として,「このもの性(唯一無二)」が否定される.世界のたった一人の「私」や共同性,他者も死も,こういった強い中心性を引き受けるものをすべて退けながら語られていく.だから,今までの哲学のように確固たる根拠がどこかに存在しているといった考え方を根本から問い直すことになる.デカルトの言う「我思う,ゆえに我あり」に関しても,「我」といった根拠を認めないことになる.還元主義でも全体主義でもない.
ドゥルーズの哲学は,生命や情報が緊急の主題になり,生態系がクローズアップされ,国家を逸脱したグローバリティが問われるいま,議論を狭い視野に閉じ込めないためにも必要とされると言われる.
ドゥルーズ―解けない問いを生きる (シリーズ・哲学のエッセンス)
- 作者: 檜垣立哉
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2002/10
- メディア: 単行本
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