ジョン・デューイ

Philosophy recovers itself when it ceases to be a device for dealing with the problems of philosophers and becomes a method, cultivated by philosophers, for dealing with the problems of men.
哲学が哲学者の問題と取り組む道具ではなく,人類の問題と取り組むために哲学者が考え出した方法になったなら,その時哲学は復活します.
John Dewey (American Philosopher, Psychologist and Educator, 1859-1952)

ジョン・デューイは,パース以来のプラグマティズムを集大成し,道具主義も唱えました.初期においてはヘーゲルの影響下にありましたが,W・ジェイムズの影響を受けて次第に経験論的自然主義*1に移行し,観念は環境を変化させ,問題を解決するための「道具」であるとしました.また,ダーウィンの「種の起源」からも影響を受けていると言われています.
デューイの主張を平たく言うなら,個人が環境の中で逆境に立たされた場合,その人の心のはたらきとは,そういった問題状況を解決することによって環境に適応させるようにすることであり,心が作った観念は問題を解決するための実験的な仮説であり,道具であるということだと思います.
参考文献:「岩波哲学思想大事典」,魚津郁夫「プラグマティズムの思想」

*1:自然主義(認識論)
超自然的な存在者や超自然的な性質を認めない存在論に対して,認識のあり方も科学の方法や範囲内で追究されるべきであるとする立場.科学と認識論の連続性を主張する.「岩波哲学思想大事典」より