形から入らないように〜アルベール・カミュ

To be happy, we must not be too concerned with others.
幸せになるためには、他人のこと(評価)を気にしすぎないことだ。
- Albert Camus (1913-1960)

カミュのこの言葉も好きです.どういうときに思い浮かぶかといいますと,形に拘らないようにしようと思う時です.本当に日常的なことですが,どんな商品にもブランドってありますよね.例えば,服で言えば,ヴィトンの持っているイメージとユニクロの持っているイメージってやっぱり違いますよね.極端に言えば,前者は高級でセレブな感じ,後者はカジュアルで庶民的な感じでしょう.PCでも色んなメーカーがあり,どのメーカーも独自のカラーを持っています.クルマにも,お米などの食べ物にもあるように思えます.
そしたら,音楽はどうでしょうか.クラシックを聴いている人は高尚で,ジャズを聴いている人はアメリカが好きで,ヒップホップやラップを聴いている人はストリート系の若者で,ヘヴィ・メタルを聴いている人は暗くて暴力的で,パンクが好きな人は反社会的でといった図式は成り立つでしょうか.ある意味では成り立っているのかもしれません.しかし,それは部分的だろうなと思います.
何を言おうとしているかと言いますと,「このブランドを身につけること,所有すること,享受することによって,他人にどう思われるかというイメージを先行させて,実際の商品を自分のものにするのはやめよう」と僕は思っているということです.イデオロギーに毒されているように感じられるからです.
逆のことも思っています.このブランドを身につけている人は,こういう人だとイメージを先行させてから人と接するようなことはしたくないなぁと思います.また,自分が尊敬する人が言っていたから,所有しているからといって,鵜呑みにして真似をしてしまうのも,ちょっとなぁと思います.
僕はロックもヘヴィ・メタルグランジも好きですが,ミュージシャンが煙草やドラッグを服用しているからといって,そういった部分から入ったことはなかったと記憶しています.それは自分で考えて自分にとって良くないなと思ったからです.何よりも一番の理由は,音楽そのものが好きだったので,演奏してみたいと考え実行していました.別に,音楽は音楽だけを聴かなければならないと言っているわけではなく,ミュージシャンのファッションがいいと感じたなら,真似ていたかもしれません.
部屋に関しても,料理に関してもそうです.自分の部屋はお店ではなく,個人の生活の場なので,こういう部屋にしたら人が集まるだろう,こういう人に思われるだろうといったイメージは先行させていません.自分が生活していて過ごしやすいと思えるかどうかが重要です.ただ,ごく一部の親しい人にどう思われるだろうかとは考えますが.