生きる

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昨日、テレビ朝日黒澤明原作の「生きる」のリメイク版をやっていたので見ました。「世界の黒澤」というフレーズはよく耳にするけど、自分はまともに1本も映画を見たことがありませんでした。といっても、この映画も市川森一による脚色と藤田明二による監督なので、オリジナル映画を見たとは言えませんが。
勝手な想像で、黒澤明の映画は、哲学的で難解なセリフが多いのかと思っていましたが、この映画を見ると、その逆で、俳優の表情や声の抑揚、周りの情景が多くのものを物語っているように思えました。
市役所が舞台となっており、”仕事をやり過ぎない”公務員たちを描いているのは、当時(今でも?)としては、きっとお役所批判の意味も込められていたのでしょうね。
今の時期にリメイクされるということは、何か団塊の世代の人たちへのメッセージにも思えましたが、そればかりでなく、映画の中に出てくる若い世代の人たちも、それぞれに色んな人生の決断をしている場面があります。しかし、一個人の夢に向けた大きな決断なんて、社会(一つの部署とか)の中では、そう大したことでもなく(かなり迷惑な場合はあるが)、99%くらいの人は、そんなことなんてすぐに忘れてしまうように思えました。世知辛い世の中を描いた部分もあると思います。
その世知辛い社会の中で、何の変哲もない一人の退職間近の公務員のおじさんが手にした赤いマフラーと赤い手品のボールは、彼の血の気のない顔色と姿とは対照的に、何か心の中に灯る情熱と愛情のようで、とても印象的でした。オリジナルのモノクロの場合では、パートカラーになっているのでしょうか。
機会があれば、もっとオリジナルはもちろん他の作品も見てみたいと思います。


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