Study: チャクラ (cakra)

チャクラ (cakra)「輪」

ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教のタントラで、身体に設定される特殊な器官で、ナーディーと呼ばれる脈菅とともに、生理学的方法を用いるヨーガの実践の基礎をなす。(ナーディーの)結び目と解釈したが、現在では意訳せずに<チャクラ>と音写する場合が多い。

現在のヒンドゥー教タントラでは、会陰部にムーラーダラ、性器の基底部にスヴァーディシュターナ、臍にマニプーラ、心臓にアナーハタ、喉にヴィシュッダ、眉間にアージュニャー、頭頂にサハスラーラの6つのチャクラを設定することが多いが、これに生殖器のアグニを加えて7つのチャクラを説くこともある。そして生殖器の基底部でとぐろを巻く蛇になぞらえられる性エネルギー、クンダリニーを覚醒させ、これをスシュムナーと呼ばれる中央脈菅を通してサハスラーラにまで上昇させれば、最高神シヴァとの合一が完成するといわれる。

岩波 哲学・思想事典. 1998. pp.1070r-1071l