Music: The Optimist / Anathema

 Anathemaは、かつてゴシック・メタル然とした音作りをしていた時代があり、コアなファンの間で人気がありました。徐々に音楽性が変えながら、今ではゴシック時代の雰囲気を微塵も感じさせない作品をリリースしています。

The GatheringyやOpethもそうですが、かつてゴシックと呼ばれたバンドが、クリアでハーモニー重視の音作りへと変化するケースは少なくはなく、コアなファンは落胆して聴かなくなるようです。私は、むしろゴシック時代も、現在の形も好きです。それは、本質的なメロディーや和音感というものは変わっていないように思えるからです。

ゴシック時代のアルバムはもちろん、ノイジーなリフ、不穏なボーカルライン、スローテンポのドラムとベースラインといった、不協和音やマイナーコードの嵐です。ただ、時折、一条の光のようなものが雲の合間から挿すのです。天使の声のような女性ヴォーカルが、大嵐で難破しかけた船に希望を与えるような、天に昇るような瞬間があります。

最近のAnathemaは、その極楽のような部分を抽出して1枚のアルバムにしたような印象があります。

The Optimist [12 inch Analog]

The Optimist [12 inch Analog]

 
Distant Satellites [12 inch Analog]

Distant Satellites [12 inch Analog]